間に合わない?申請状況は?先進的窓リノベ事業:補助金で内窓設置の見積もり比較と注意点[インプラス/プラマード]

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ヒートショックはご存じですか?暖かい部屋から突然寒い場所に移動すると、血圧が変化し心臓に負担がかかることで急に倒れてしまうものです。また、夏場は暑くても我慢をしてしまい、熱中症や脱水症状により救急搬送される方が毎年多くいます。特に高齢者の方は寒さや暑さを我慢すること傾向にあり、部屋を適温に保つことはとても大切なことです。高齢者住宅に不安がありリフォームなどを検討されている方はお問い合わせください。

光熱費の高騰を抑える

光熱費の高騰により、電気代やガス代が大きく上昇しており、できるだけ暖房や冷房器具を使わないと思われている高齢者の方が多く存在していると思います。そこで重要になってくるのが、家自体の性能の強化です。特に高齢者や子育て世代にとっては家にいる時間が長くなるためメリットが大きくなるでしょう。

古い家に住んでいると、外気に影響され部屋の温度が大幅に変化してしまうため、光熱費が高額になる傾向にあります。熱を逃すあるいは熱を取り込んでしまう開口部で重要なものが「窓」になります。この窓を高性能なものにリフォームすることで、部屋自体を適温に保つことが可能になります。

2023年は窓を高断熱性能のものにリフォームする補助金制度が3月31日 10時より申請および予約開始となりました。その補助金制度を先進的窓リノベ事業と呼びます。1,000億円というこれまでにない予算があります。このページでは、先進的窓リノベ事業の賢い利用方法について、少し説明いたします。

現在の補助金申請割合は?

2023年4月4日 午前0時時点では、このような数値になっています。型番や昨年のこどもみらいの時に必要ではなかった項目が追加されたことにより、確認作業が遅れ、予約申請ができないという業者の方もいるようです。一概にまだ全然大丈夫であると思わない方が良いかもしれません。

下記のTwitterのアンケートによると、約24.1%が2023年3月以前に着工済みとなっています。ただこの予算の3%が現在の24.1%の着工分であるので、まだ空きがあると考えるのは時期尚早かもしれません。契約希望の業者の方としっかりと検討の上、契約されることをおすすめします。

参考URL:https://window-renovation.env.go.jp/

最新の補助金の消化率については上記URLよりご確認いただけます。進捗は1日1%未満となっているようです。

どうすれば補助金を受けることができるの?

先進的窓リノベ事業に登録されている事業者に依頼し、対象となるLow-E複層ガラスの窓の設置をした場合に受けることができます。まずは登録されている事業者を探す必要があります。

登録事業者にはどのようなものがあるの?

大きく分けて、工務店、リフォーム会社、ガラス専門店があります。概算見積もりについては、ざっくり下記の項目でお伝えします。

窓設置の方法の違いは?

大きく分けて3つの工法があります。ガラス交換、はつり工法、カバー工法、内窓設置です。
はつり工法は、窓全体を取り外して新しい窓を取り付ける工法です。

カバー工法とは、今ある窓の窓を一旦取り外して、その上でフレームの上からカバーする形で新しい高性能な窓を取り付ける工事のことです。

対して、内窓設置は今ある窓はそのままに、内側に新しい窓をつける施工方法になります。

補助金を使った場合、どの工法が一番お得?

2023年の補助金制度では、「内窓」をつける方が断然お得になります。カバー工法ですと補助金のカバー率が低く、補助金額は大きくなりますが、割合は低くなります。

補助金が受け取れる金額は3段階あり、Aグレード、Sグレード、SSグレードがあります。SSグレードが一番高額です。Sグレードの内窓がおよそ一番補助金率が高いものになります。ただしSSグレードはほとんどの家では必要のないグレードであり、かつ特注の料金がかかるものです。

窓メーカーのYKKAPとLIXILの違いは?

内窓設置に伴い、上記二つのメーカーの名前が上がってくると思います。大きな違いは特にありませんが、どちらかというとLIXILの方がお得という印象です。両社とも大きな違いはありませんが、LIXILの方が、特定の窓であればアルゴンガス入りでなくても、Sグレードの熱貫流率を満たすので、安価な窓を設置できる上に、高額な補助金の対象となっています。

アルゴンガスは、空気層よりも熱を30%通さないと言われており、空気よりも高性能な窓になります。ただし、追加料金がかかります。

窓メーカー LIXIL(インプラス) YKKAP(プラマード)
ほこり対策 ダストバリアがついている ほこり制限の機能なし
グレード 引き違い窓とFix窓はアルゴンガスなしでもSグレード アルゴンガスありのみがSグレード

一括見積もりの方法は?

業者に来てもらうことで採寸することは可能ですが、まだ信頼のおける業者が見つかっていない場合は、相見積もりをすることになると思います。

1社1社来てもらうには時間が足りませんので、できるのであれば、家の全部の箇所の窓の寸法を自分で測りましょう。高さ、幅、奥行きの3つを窓毎に箇条書きで保管しましょう。

その上でメールで事業者へ簡易見積もりを依頼すると良いです。

測る必要がある寸法は、高さと幅、奥行きの三つです。できれば、クレセント(窓の鍵)までの高さも計測しておくと良いでしょう。その際に「Sグレードで見積もりをお願いします」と伝えます。

見積もりの際の寸法の注意点

奥行きは70mm以上ないと内窓の設置はできません。その場合はふかし枠というものをつけることになり、設置面を大きくする工事が別途かかります。

また、設置面が全体的に丸みを帯ている場合も設置できない場合があるので注意が必要です。加えて、クレセントの持ち手が大きい場合、窓をあけるためのハンドルなどが干渉する場合も設置は難しくなるため、そういった細かい部分は別途現地調査をしてもらい、確定する必要があります。

採寸時に必ず窓全体がわかる写真を撮影しておくことをお勧めします。補助金申請時に必要となってくるもので、施工後は撮影ができないものです。忘れると申請ができなくなる可能性があります。

登録事業者に任せることも可能ですが、施工時に撮影忘れが起こる可能性、そして撮影機材の故障でデータが消えてしまったなどの問題がある場合を考慮する必要があります。

見積もり金額の違い

補助金の対象となっているものは、窓と施工にかかる金額のみです。消費税や諸経費などは対象とはなっていません。

もちろん合計金額に対して補助金が適用となります。8社ほど見積もりを依頼しましたが、とりわけ、この4社について表で示させていただきます。スマホの方は横スクロールで見られます。

施工会社 工務店 リフォーム会社 ガラス専門業者A ガラス専門業者B
グレード Aグレード Aグレード Sグレード Aグレード
窓の枚数 14枚(インプラス) 14枚(インプラス) 14枚(プラマード) 14枚(インプラス)
税込金額 1,244,500円 1,278,300円 1,382,400円 967,500円
補助金額(非課税) 627,000円 627,000円 795,000円 627,000円
諸経費(税抜) 10,000円 43,000円 94,000円 13,000円
雑費(税抜) 14,500円 0円 0円 0円
申請代行費用(税抜) 0円 16,600円 41,000円 0円

補助金の対象ではない諸経費や雑費などを多くすることで調整している印象があります。もちろん会社の規模や関わるスタッフの数によって諸経費が変わってくるので、依頼する会社の規模や運営費によって見積額が大きく変わることを念頭に置いておきましょう。地元のガラス専門業者に対して見積もりを取るのが良いでしょう。

YKKAPやLIXILが認定している登録事業者は、窓のメーカーと密に連携を取っている可能性が高いため、性能をある程度は担保してくれると思われます。安ければ安いほど良いということではありません。信頼のおける業者に依頼することが大切です。補助金の申請は業者に依頼する必要があります。

こちらの比較は2023年1月時点のものであるため、補助金の対象となる窓の仕様がきちんと決定していない段階のものでした。そんな中でもこのような大きな開きが確認できました。

各窓メーカーは対象となるSグレードの窓がどのようなものなのか?は把握されているので、現時点ではSグレードでの見積もりを直球で依頼するのが効率が良く早く見積もりを決定できます。

見積もり金額と発注に関する注意

そのほか注意すべき点を列挙します。参考にしていただければと思います。

50%が補助金の上限金額である?

50%が補助金額の上限ということは、先進的窓リノベ事業のウェブサイトには書かれていません。ある業者によると電話は確認したところ、そのような規定はない(2023/3現在)とのことでしたので、高すぎる見積もり額は普段よりも多い金額で見積もりを出している可能性があります。一部Webページに「50%相当の補助金がもらえる」との記載がありますが、あくまでも概算であり、それ以上補助金率の場合もあり得るということでした。

型ガラス(すりガラス)では補助金対象とはならない?

3mm – 空気層11mm – 4mm(型ガラス)において、遮熱仕様であれば、インプラスではSグレードを満たすとの情報がありました。詳しくは注文される会社に詳細をお聞きください。

透明以外のガラスのタイプについては、高額になる傾向にあります。気にされないようであれば型ガラスが良いと考えます。

浴室のガラスの対象の内窓をつけることはできない?

完成品ではなく、組み立て式のもので条件に合致するものを依頼すると補助金の対象となる窓を設置することは可能とのことでした。ただし、この部分は未確定な要素があるようです。

補助金額が注文額を超える場合は儲かってしまう?

公式サイトのよくある質問によると、下記の記載がありましたので、注意が必要です。小さな窓を施工する場合は注意して見積書を見る必要があります。製品代と工事費に対して補助金が提供されるとい考え方です。諸経費などには補助金は対象とならないので注意が必要です。

本事業は、製品代及び工事費を含むリフォーム工事代金の一部について、 補助を行うものであり、補助額を下回る契約に対して、補助を行うことを 想定しておりません。 仮にリフォーム工事代金が補助額を下回る場合、当該工事全体が本事業の 補助対象になりません。

性能証明書の取得はいつから?

先進的窓リノベ事業の補助金を受け取るためには、「性能証明書」と呼ばれる窓メーカーから発行される書類がオンライン申請時に必要になります。この性能証明書がないと補助金がもらえないということです。メーカー側も発行のフローを検討しており、およそ4月以降の注文分から納品時に同梱されてくると予想されています。

それ以前に注文し、納品されたもので「性能証明書」が入っていないものに関しては、登録事業者が担当者に連絡し取得する必要があります。その取得期間が申請後、郵送によるものであるため約10日と言われています。タイミングによっては遅く注文した人の方が先に性能証明書を取得でき、申請が早まることもあり得ます。

ただし、「交付申請の予約」があるため、「着工」を優先に考えた方が良いと考えます。

仮に先進的窓リノベ事業の補助金がもらえなかった場合は?

こどもエコすまい支援事業というものが同時に行われており、そちらでも申請が可能です。ただし、先進的窓リノベと比較すると補助金額が大幅に落ちます。もらえなかった場合を想定し、注文時の契約書と一緒にサインをする規約書の覚書としてどの程度の負担割合になるのかを取り決めをしておく必要があるとのことです。

いつ工事依頼をすれば良いのか?

こどもみらい住宅支援事業補助金交付決定状況を見ると、開口部の窓に関して使用された補助金の額はおよそ30億円となっています。全体の約4%となります。件数はドアを引くと、およそ35,000件の工事が行われたとなっています。平均の補助金申請額は、86,000円程度に収まっています。

先進的窓リノベ事業の補助金額を1000億円とすると、昨年の33倍もの額が使用されることが想定されている計算になります。ただ、1戸あたりの補助金の申請額が高いため、仮に50万円が平均だとして、約6倍の額の申請になります。仮にその申請額が平均になると、昨年の約6倍の申請で予算が埋まる計算になるのではないでしょうか?200,000件の工事が必要な計算です。

2023年3月時点、窓の生産が追いついていないため、納期の時間がかかっているようです。補助金は予算がなくなり次第終了ですので、早めに工事依頼をする方が良さそうです。

この記事(「3省補助事業で受注3倍 来期は窓の断熱リフォームが焦点に」)によるとYKKAPは2023年7月まで内窓の生産ラインの強化をするとしています。しかしながら、YKKAPの業者からの連絡にて7月までは保たないかもしれないという情報がありました。(3/24時点)

また、登録事業者である設置業者のキャパが現在オーバーしているとの情報があります。昨年のこどもみらいの登録事業者の数は20,000社であった上に、開口部の施工数は5.5%を計算するとおよそ1,100社が開口部の施工に携わったとして、200,000件の工事を完了させるには、どのくらいの期間が必要となるのかは、個人の予想によるものかと思います。事務局は定期的に補助金の予算の残りを報告するようになっているので、最初の報告があるまで待つのも手かもしれません。2023年3月31日 10時より申請開始となっています。

契約時には補助金は保証するものではないということを承知の上で契約する事業者がほとんどです。しっかりと考えましょう。口約束だけで窓の部材を発注してしまう業者もいるようです。その場合はキャンセルは効きません。しっかりと発注の意思を書面に残して段階的に発注から補助金受領完了までを計画的に行うと良いでしょう。

着工日について3月末時点でアンケートを取ったところ下記のような回答となりました。すでに3月の末の段階で6月以降の工事としている人が多数おられるようです。LixilやYKKAPによると、メーカーの納期まで3ヶ月待ち程度となっているようですが、それよりも遅れる可能性も考えられます。納品後に工事日の調整となります。

7月、8月になるようであれば注意が必要となるでしょう。補助金の予算の進捗を確認しながら、問題なければ契約という流れが良いと思われます。

なお、4/18現在では先進的窓リノベ事業の補助金について、確証が持てないため、注文の受付をストップしている会社もあるようです。

 

補助金の交付申請

補助金の交付申請には2種類があります。「交付申請の予約」と「補助金の交付申請」です。詳細はこちらのページに記載があります。申請は、登録事業者が行うもので注文者はすることはできません。ただ、注文者の注文がないと「着工」することできないため、注文者の意思決定のタイミングの検討が必要になります。

交付申請の予約

3月下旬より予約をすることができます。工事の契約と工事箇所の写真、そして「着工」が予約申請の条件となっています。予約が行われると補助金予定額を3ヶ月確保することができます。また、予約には「性能証明書」は必要ではありません。ただし、予約は登録事業者の負担が多くなる傾向にあるため発注者が多くなればなるほど手間となります。

窓の工事だけではなく同じ家の中にある他の工事と一緒に契約した場合、その工事の「着工」が予約の条件となるようです。窓自体が届かない場合、小さな工事と同時に契約書を作成することにより、補助金の確保が可能となっているようです。

補助金の交付申請

「交付申請の予約」の条件に加え、工事の完了、工事後の写真、各設置窓の性能証明書、一定の補助金額を超える場合は、登記証明書が必要になります。

2023年3月時点では、窓の設置を「着工」をすることで、補助金額の確保をすることができるようになっています。内窓の設置については、着工はおよそ工事完了日と同等なので、同日になると思われます。

まとめ

高齢者の一人暮らしあるは、高齢者同士で住まわれている方は、良い意味で我慢強い傾向にあります。これまで日本を必死で支えてくださったが故に、暑い寒いなどは気にしない方が多いような気がします。高齢になるとその我慢が命取りになる場合があります。寒い家、暑い家に住まわれている高齢者の方がいれば、一度窓のリフォームを検討し、より快適な居住空間になればと思います。

体へのダメージは、窓を設置する数十万で軽減されるのであれば、医療費等を考えると安上がりとなるのではないでしょうか?もし万が一、ヒートショックなどで体に大きなダメージを負い、介護施設へ入所することになれば、家族を含め、大きな負担となってしまいます。

補助金を受けられるかどうか?については、1000億円の予算があるから大丈夫という会社もあれば、確約はできませんという業者もあります。しっかりと契約書を読み納得した上で契約するようにしましょう。脱炭素の対策事業としてこれからも光熱費をおさせるような方向に補助金の予算が使われる可能性もあります。焦りすぎて契約に失敗しないようにしましょう。高齢者住宅に不安がありリフォームなどを検討されている方はお問い合わせください。

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